2020年度 第58代理事長 岩田 純一

『はじめに』

現在、地球上の人口は爆発的な増加傾向にあり、食料や住宅、雇用など様々な不足が大きな問題として叫ばれています。一方、国内の人口はかつてない減少局面に入り、少子高齢化の進行、地方の過疎化、GDPの低下、社会保障費の増加など労働人口の減少がもたらす影響により、日本の将来の見通しは極めて不透明な状況にあります。そうした中、出入国管理及び難民認定法の改正による外国人労働者の受け入れ拡大など、新たな労働力への期待が高まっており、私たちは急速に変化する国内の社会経済構造の変化に向き合うと共に、地球全体の問題解決に向けた行動をとることが求められています。

これらは秦野市でも例外ではなく2010年をピークに市内の人口は減少に転じ、現在進行形で少子高齢化の波が押し寄せています。若年層人口の減少は、経済規模の縮小による自治体の財政に影響を及ぼすだけではなく、地域社会の活力の低下にも繋がります。さらに、企業が労働力確保を目的に他国の労働者を迎え入れることで市内に定住する外国人は増加し、少子高齢化の余波は地域社会に多様な変化をもたらします。このように先行きが混沌とする現在、私たちは時代の変化に抵抗するのではなく、迫りくる現実を受け入れながら地域の課題に向き合わなければなりません。

このような時代背景の中で、「明るい豊かな社会の実現」を理想とする日本の青年会議所の運動も大きく進化をしてきました。これからは、より広い視野で地球全体の問題と向き合い、よりグローバルな視点で地域の未来を考えた行動が必要になります。そこで、当青年会議所では持続可能なグローバル開発目標である「SDGs」を推進した運動を積極的に展開してまいります。市民が自らの意思で率先して課題解決に向けた行動がとれるように、私たちは持続可能な社会を目指して走り続けなければならないのです。


『未来のためのまちづくり』

私たちは、自身や家族が幸せに暮らせるために、日々努力を重ねています。そして、会社や地域、さらには社会全体がより明るく、より豊かになることを望んでいます。しかし、国内の経済成長が頭打ちとなった現在、これまでのように「経済成長が社会を発展させる」という構図は成り立ちません。これからは、「社会を発展させることで経済も発展し、結果として個人の幸せを創り上げる」時代です。私たちは次代を担う子どもたちのためにも、まちづくり運動を通じてこの大きな発想の転換を市民に広めなければならないのです。本年は、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催による訪日外国人の増加など、益々国内のインバウンド需要も期待されています。私たちは、この機運を最良のチャンスと捉え、行政をはじめ地域の経済団体や企業とも積極的にパートナーシップを組み、グローバルな視点でSDGsを秦野市に広く発信し、地球上で抱える国際社会共通の課題を共に考え、ビジネスを通じた地域社会の持続的な発展を提唱してまいります。

また、当青年会議所の伝統事業である「ジャンボ火起こし綱引きコンテスト」は、多くの市民にSDGsを広める最良の機会でもあります。市民一人ひとりが伝統文化は地域共有の財産であることを再認識し、地域に根付いた文化の新たな価値を創造すると共に、「誰一人取り残さない」多文化共生社会の発展にも寄与すべく、私たちは未来のためにかつてない挑戦をしてまいります。


『未来のための組織づくり』

青年会議所は、自身の新たな可能性を引き出し自己成長ができる機会が無数にあります。しかし、その機会は、自らの意思で行動しなければ得ることができません。近年、青年会議所の会員でありながら、その成長の機会を自ら放棄している会員が増えています。そこで、今年度は青年会議所を熟知している先輩にご協力をいただき、その魅力を実践的な形で会員に伝える機会を設けてまいります。さらに、入会期間が短い会員には、近隣青年会議所との合同事業に計画段階から積極的な参加を促し、他の会員と交流を図りながら事業構築の過程を学ぶ中で、青年会議所の魅力を体感していただきます。そして、今年度、役員を輩出する青年会議所として、神奈川ブロック協議会にも積極的に出向者を輩出してまいります。会員には、日頃の活動を通じた同志との交流により、個が成長し自身の人生がより豊かなものになることを知っていただき、その体験を次代の仲間に伝えてもらいます。また、一般社団法人横浜青年会議所が主管する「JCIワールドコングレス2020」においては、神奈川県内の各青年会議所と共に、当青年会議所も副主管として、最大限コミットしてまいります。海外の会員とローカル交流を図り、グローバルな視点で青年会議所の新たな価値観を醸成することは、会員一人ひとりの視野を広げ成長を促し、組織の活性化にも繋がるものと考えています。

会員が組織の内側と外側の両方に目を向けることは、当青年会議所の未来を創り上げるうえで最も重要なことだと認識しています。組織とは個の集まりであり、一人ひとりの参画意識が高まれば個の成長に繋がり、延いては活気ある積極的な団体へ生まれ変わるのです。本年度は、まだ見ぬ新たな同志との出会いを通じて、未来のために組織の可能性を最大限に引き出してまいります。


『未来のための会員拡大』

40歳で卒業を迎える青年会議所では、卒業者数以上に新たな仲間を増やし続けなければ、組織の継続性を失うことに繋がります。これまで当青年会議所では、新入会員の獲得を目的とした様々なアクションを起こしてまいりました。しかし、終わりなき活動であるが故に、モチベーションを維持して拡大活動に注力することは難しく、断続的な活動になりやすいことも事実です。このような経験を踏まえ、持続的に活動し結果を残すためには、闇雲に会員数を増やすことを目指して活動するのではなく、組織の未来を見据えた中で必要な人材を戦略的に増強することが重要だと考えます。また、私たちの認知度を高めることは、会員拡大を推し進めるうえで大きな武器になります。そのためには、日々の活動や運動をタイムリーに発信し続けることを忘れてはなりません。常に、適切な媒体と手法を選択し、会員獲得を狙った広報を戦略的に実施することで、新たな仲間との出会いの可能性を広げると信じています。

会員拡大を成功させるうえで、このような徹底した戦略と持続的な活動は当然のことですが、加えて、私たちが目を輝かせて運動を続けることも忘れてはなりません。この繰り返しにより未来の仲間たちに「共感」を与えることが、新入会員獲得への近道だと確信しています。持続可能な組織のために、そして地域の未来のために、会員一致団結して新たな仲間を迎え入れてまいります。


『むすびに』

私は、まだ会社員であった2010年に秦野青年会議所の門を叩き、今日まで青年会議所運動に食らいつくように活動してきました。そして、日々、多くの人と出会い多様な価値観に触れる中で物事を広い視野で見るようになり、この10年間で青年経済人として大きく成長をさせていただきました。「目標に向かって夢中に突き進んだ者には、必然と結果が付いてくる。」これが青年会議所のアドバンテージだと認識しています。一方、この10年間で社会の流れが変化したように、青年会議所の空気も大きく変わりました。世代が異なれば価値観が変わる事は当然かもしれません。しかし、いつの時代でも「運動や活動を通じて己が成長できる場所」に変わりはなく、それこそが青年会議所の魅力であり地域の未来、そして自身の人生をより明るく、豊かにするための大切なヒントではないでしょうか。

本年で卒業を迎えるにあたり、後輩一人ひとりに成長の機会を与え、これまでの経験を伝えることが私に課せられた使命だと認識しています。この1年間、今という瞬間を大切にして日々の活動に取組み、持続可能な組織と社会を創り上げ、愛する秦野の将来をより輝かしいものへと変えてまいります。次の未来のために。


【基本計画】

基本理念

広い視野と新たな視点を持ち

次世代のために行動することで

心は動き、未来は大きく動く


基本方針

未来のためのまちづくり

未来のための組織づくり

未来のための会員拡大


スローガン

NEXT FUTURE



組織図